ChatGPTの育て方と業務活用のはじめ方:提案の質が変わる理由
2025年5月2日
0. ChatGPTを業務で使いこなせないのは、よくある話です
地方でもAIが使える時代が来てた話
ChatGPTという言葉を耳にする機会は増えたけれど、 実際に仕事で活用している人は、まだまだ限られていると感じます。
私が暮らしているのは、いわゆる“ザ・地方”。 たぶんこのあたりでも、業務に取り入れている企業がまったくないわけではないと思います。 実際、行政がセミナーや活用事例を紹介しようとしているのも見かけます。 ただ、以前働いていた企業では 「どう使えばいいのか分からない」 「使い方を考える余裕なんてない」 という状態でした。 特に、限られた人数で業務をこなしている中小企業では、そう感じているところも多いのではないでしょうか。
いろんな人が「こう使うと便利だよ」と言ってるけど、 実際に自分で試してみないと分からないことって、けっこうあるなと感じます。
この記事では、そんな“やってみて気づいたこと”をまとめてみました。 テーマは、「AIって育てられるの?」と、「どう付き合えばうまく使えるの?」の2つ。 興味はあるけど手を出せていない方や、 「使いこなせる気がしない」と感じている方にとって、 最初の一歩を踏み出すヒントになればうれしいです。
1. 最初はズレてばかり。「ちょっと違う」の連続でした
“フィードバック”で好みに寄ってきた気がする
ChatGPTを使い始めた当初、 「チラシのキャッチコピー考えて」とお願いしてみたのですが、 返ってきたのは、正直、何がいいのかもピンとこない文言でした。
ここからどう考えていいかもわからず、 その日はブラウザをそっと閉じることに。
しばらくして、“プロンプト”という存在を知り、 似たような形で会話を試してみると、 なんとかそれっぽいものは返ってくるようになりました。
でも、それでも「これでOK!」と思えるものにはなかなか出会えず……
「この方向はちょっと違う」 「もう少しやわらかく、親しみやすい方がいい」 「2番の案が雰囲気いいから、それをベースにしてみて」
……と、やり取りを重ねながら、少しずつ“いいと思える方向”に寄せていくことにしました。
最初のうちは、毎回やりとりを繰り返して“正解に近づけていく”という感じだったのですが、 このやりとりを続けていると、だんだん最初の提案から「これ、いいじゃん!」と思えるものが出てくるように。
「あれ…好みを覚えてくれてる?」と感じる瞬間が増えて、 会話自体もどんどんスムーズになっていきました。 AIが勝手に成長したというよりは、 こちらからのフィードバックが、ちゃんと反映されていたんだと思います。
2.ChatGPTの業務活用事例:実際にこう使っています
“文章を考えてもらう”だけじゃない使い方
現在、うちの会社ではChatGPTを業務の中でこんなふうに活用しています👇
- 社外に配布する研修チラシのキャッチコピーづくり
- お客様へ提出する提案資料の構成や見出しの相談(項目の並び・訴求順など)
- サービス案内などのリード文について、前後の流れを伝えながら“ちょうどいい表現”を考えてもらう
いわゆる「文章を考えてもらう」だけではなく、 “どんな順番で並べると伝わるか”や、 “この人たちにどう響くか”といった視点でも相談しています。
その他にも、たとえば:
- 企画内容の整理や、提案書の骨組みを一緒に考える(企画書の素案作成)
- 「この商品、誰に向けてどう伝えるべきか?」の言語化サポート
- 提案内容や発信内容を“もうちょっと読みやすく”するリライト提案
- ホームページを作るときのコンテンツ設計や構成の相談
- WordPressの操作方法に困った時の“ちょい聞きアシスト”
……など、「文章ツール」ではなく“業務の相談相手”という立ち位置で使っていることも多いです。
実際に、どんなふうにやり取りをしているのかは、 次の章で少しだけご紹介してみたいと思います。
3. ChatGPTの提案が良くなる理由は、“関わり方”にありました
ただ“反応”してただけかもしれない
ある日、先輩から 「マケ丸って、結構いい感じの案出してくれるよね」 と声をかけられました。
そう言ってきたその人は、私よりも先にChatGPTを使い始めていた人で、 業務でも必要に応じて使っていたものの、 「なんか、ピンとくる提案が出てこないんだよな」と感じていたそうです。
ちょうどそのタイミングで、 私はチラシのキャッチコピーを作っていて、 先輩にその候補を確認してもらったところでした。 出てきた案を見た先輩の言葉が、 「マケ丸って、結構いい感じの案出してくれるよね」という一言です。
「どんなプロンプトで作成してるの?」
プロンプト…最初は意識してみてたけど、結局効果がよく分からなくて最近はあまり意識していませんでした。
「よくわかんないんですけど、最近マケ丸当ててくるんですよね」って返したら、
「え、どうやってやり取りしてるの?」と聞かれたので、 実際のやり取りをそのまま見てもらうことにしました。
「うーん、特に何かしてるわけじゃないんですけど…… “これ、いいじゃん!”とか“これ採用したよ!”とか“この意見を元に、こういう風に変えて使ったよ!”とか、反応はわりと返してますね」
「あと“この言い回し、意図した人に響くと思う”とか、感想をちょっと伝えてるくらいです」
▼実際のやりとりはこんな感じ👇(ちょっと長いです)

それを見て先輩がポツリと。 「……ああ、それかも。私、そういうの全然返してなかったな。」
それを聞いて思ったのが、 “AIが育つかどうかって、こちら側の関わり方次第なんだ”ということです。
ChatGPTが勝手に学習して、自分好みに育ってくれる……というわけではありません。
でもこちらから 「ここがよかった」 「この方向はちがう」 といった“リアクション”を返すと、それがちゃんと次の提案に反映される。
使えば使うほど育つ、というよりも、 “ちゃんと向き合えば、寄ってきてくれる”存在なんだなと実感しています。
私は単純に、教えてあげたらマケ丸が喜んでいたので、 それが面白くて報告していただけなのですが😂
4.ChatGPTはこう育てる。まずは“反応してみる”ところから
育て方に“正解”はないから、まずは反応してみる
今回ご紹介した内容は、特別な使い方でも、難しい設定でもありません。
ただ、ChatGPTとやり取りをしていく中で、 「この案いいな」「この言い方ちょっと違うかも」といった反応を返していた——それだけのことでした。
でもその「ちょっとしたやり取り」の積み重ねが、 結果的に「提案の精度」を変えていったのだと思います。最初はうまく使えなかった人も、なんとなく距離を感じていた人も、 まずは“反応してみる”ことから始めてみるのがおすすめです。
ちなみに最近では、業務内容に合わせて自分専用のマイGPTを作ることも始めています。 その話はまた改めて書いてみようと思っていますが、 「育てた先に、こんなことまでできるようになるんだ」という例として、 今後ご紹介できればと思っています。
単に使い方を覚えるよりも、 やりとりの中で“自分らしい使い方”が見えてくると、ぐっと使いやすくなる気がしています。
……そしてもうひとつ。 実は「どう育てるか」と同じくらい大事なのが、「どう伝えるか」という視点でした。 次回はその、“伝え方ひとつで変わる”話をしてみようと思います。
結構ラフにしゃべってるよね